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あらすじ

 

夜叉人天衣。

わすか十歳にしてタイトル挑戦を決めたシンデレラは、両親の墓の前で誓いを立てていた。

「お父さま、お母さま。必ず女王のタイトルを手に入れます……私たちの夢を」

しかし彼女の前に立ちはだかるのは、史上最強の女性棋士にして師匠の姉弟子空銀子。

二人が争うのは女王のタイトルだけなのか、それとも……?

≪浪速の白雪姫≫と≪神戸のシンデレラ≫がついに激突!

アニメ化も果たしますます過熱する盤上のお伽話、家族の絆と感動の第9巻!

シンデレラの頬を伝う一筋の涙を、若き竜王の飛車が拭い去る!!

 







ネタバレ有り概要

 

マイナビ女子オープンを天衣が勝ち上がり「女王」のタイトルをかけて銀子と戦うことになった。

八一はあいにもタイトル戦を感じてもらうため観戦記者をさせることにする。

 

女王戦一局目は銀子の地元大阪「通天閣」で行われた。

検分が行われる中、使われる盤が天衣には大きすぎたが銀子の挑発にのりそのまま使うことになった。

 

対局中事件は起きた。

 

天衣の右の香が盤から落ちて、駒台に載っていた。

 

天衣の体が小さく、和服の袖が当たって駒台に落としてしまった。

普段からタイトル戦を多く経験している銀子は気づいていたが、肝心の天衣は緊張からか気づいていなかった。

銀子の誘導によって天衣は本来ないはずの香車を打ち込み反則負けとなった。

 

八一は天衣を立ち直らせるため「茨姫」と呼ばれる人物のもと、に連れて行った。

彼女は今でこそ子供を産んだ温厚な母親棋士だが、昔はとげとげしかったという。

自分自身の価値が将棋しかないと思っておりタイトルを失えば自分の価値もなくなると思っていた。

そして敗れた銀子の真似をした。

外見なり戦術なり異常ともいえる行動をしていた。

そんな自分を救ってくれたのが夫だった。

子どもを産んでから強くなった彼女が空銀子に勝つ方法は「愛」だと言った。

 

第二局目はあいの実家、北陸の「ひな鶴」で行われた。

天衣の用意した研究手が空振りに終わり早々に決着がついた。

 

八一は生石玉将との初公式戦でアマチュアですらやらないような自由すぎる序盤戦術をした。

天衣の可能性を信じて天衣のためだけに指した。

第三局目は天衣の地元神戸での結婚式場「サン・アンジェリークKOBE」で行われた。

黒しか着なかった天衣は途中純白のドレスに着替え、今まで敗北はおろか千日手(引き分け再試合)すらくらったことのない銀子に千日手を選択させた。

再試合、今度は天衣のほうが千日手の選択に迫られた。

天衣は千日手を選ばず敗北しタイトルを逃した。

天衣はタイトルを逃したが自分の将棋には亡くなった両親と師匠の八一の想いが詰まってることに気付き、八一が好きだという気持ちに気付いた。

 


感想

りゅうおうのおしごとで一番好きだった天ちゃんの話だった。

ラストでついに天ちゃんも好きという気持ちに気付いたので次巻からの八一との絡みに期待したい。

自分一人で抱え込んで必死にもがき苦しんでいた天ちゃんをみてるのは苦しかったが、両親が自分の将棋に生きていることに気付いて、前を向いて未来のために将棋を指すと言ったところに感じるものがあった。

また両親が亡くなってから黒以外を着なかった彼女が白のドレスを着たのは驚いた。
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黒で慣れてたから違和感はあったけど可愛かった。

 

最後に銀子が強さ以外なにもいらない。ただ「プロ棋士になりたい」と言っていた部分が不穏であり彼女が孤独でどんな状況で戦ってきたのかが今巻で浮き彫りになったので、銀子のこれからも気になった。

マンションの一室を買い、八一に合いカギを渡し、二人で一つのタブレットを身を寄せ合いながら操作するシーンはニヤニヤした。

最近銀子あからさまにスキンシップを要求してるなあ……

 

最後に天衣が千日手を選択しなかった理由より

 

タイトル保持者は負けられない戦いが求められる。でも挑戦者は勝たなければならない。
前へ前へと立ち向かう気持ちがあって初めて私はまともに将棋を指すことができた


りゅうおうのおしごと! 9 (GA文庫)
白鳥 士郎
SBクリエイティブ
2018-08-09